裏、Mt.Hood日記


3年ぶりのMt.Hoodであった。

ボードを初めてまだ2〜3年のころ、今から17〜18年前からずっとここに来ている。おそらく今回で10回目だと思うけど。


以前はポールバーンを貸し切って、開けても暮れてもゲートトレーニングばっかやっていた。しかも4週間もここに籠って。おかげで私を含め、キャンパーはみんなうまくなった。多くがその後プロにもなった。


そんな景気のいいスノーボーダーは最近はまれで、この10年来はキャンパーのメンツはスクール関係のスタッフやそのお客様関係。もちろんゲート練習なんかしない。フリーランやパイプ・パークとか。
フリーランと言っても自由に滑ることはあまりなく、ひたすら練習。イントラ検定やテク選を目指すメンバーが多いので、ひたすらフラットバーンで基礎練習。
こんなに広大なゲレンデなのにショートターンの練習とか。この集団だけである。ゲレンデの途中で小刻みに立ち止まりショートリズムの低速練習をする集団。アメリカ人からするとさぞかし滑稽に見えるだろう。
私はこれが恥ずかしいのでショートリズムの練習の時はみんなの練習には加わらないようにする。だって、あのローケーションからしてショートはどう見てもおかしい。



私が何回もこMt.Hoodに行く理由は。

・6月は1年を通して一番自由が利く。
・うちのスタッフにレベルアップしてもらい、来季につなげてもらいたい。
・毎年、シーズン中あわただしくて、スノーボードをし損なってしまうから。
・シーズン中は指導することはあっても、指導してもらえることはここぐらいしかない。
・自分の技術の進歩って言うよりも、技術を洗練したいし、ボードのモチベーションをキープしたい。
・普段の日本での生活が嫌なわけでもないが、バカンス気分を味わいたい。

    まぁ〜、そんな感じですかねぇ〜。




でも、今回はほんまに不安でした。こんなに心の弱い自分を改めて感じました。
4月20日にやってしまった内側側副靭帯の損傷です。2〜3週間で完治するという医者の言葉を信じていたものの、いつまで経っても治らない。いや、痛みは以前より増している。出発前、6月に突入してもだ。

今更キャンセルもできないし、あと10日しかないし、ジムに通って頑張ってリハビリトレーニングもしたけど。
せっかく遥々、行くのにボードができなければ、いくらバカンス気分で行くにしろ、もったいないし、みじめに決まっている。実際に雪上に立たないと、この足が使いもんになるかどうかよくわからんのだ。


雪上初日、50日ぶりのスノボ!
リフト降り場がビギナーの方の様に恐怖いっぱい。恐る恐る緩斜面を滑ってみた。
下半身を全く使っていないので上半身でリードする滑りはできた。ぎこちない。そこには元プロレーサーの面影は全くなかった。

3日目位から本来の体の動きが出来てきた。意外に膝の調子は良い。テーピングを3本張って、ガンダムのような装具をウエアの下に装着しているが、徐々に不安な弱っちい思いは薄れてきた。ただ、不意の衝撃が怖い。
「絶対、こけるもんか!」


悪天候で滑れない時もあったけど、結局、丸7日間滑った。ハーフパイプには入れなかったけど、目標の「自分の滑りを洗練する」事は6日目にして達成できた。期間中の転倒は3回。全てしりもちをつく程度の軽いやつ。


一番、嬉しかった事は日本に戻ればテニスができそうな事。
でも、たぶんMt.Hoodにはもう来ないと思う。
来年はまだ行った事のないニュージーに行きたくなってきたぞ??